「順調に進んでいます。(嘘)」
「それは~だから無理です。(言い訳)」
仕事のなかで都合が悪いと感じる時や、面倒でしたくないので言い訳してできないと言ってまうことがありますよね。
特に新人の頃は「できない自分を認めたくない」「できないことが恥ずかしい」と思って、見栄を張って隠してしまい、後になってトラブルになることも珍しくありません。
咄嗟に自分を守るために出てくる発言ですが、その時は良くても必ず将来後悔します。
嘘・言い訳によるデメリット
まず、嘘や言い訳によるメリットなど一切ないという意識をもちましょう。
嘘や言い訳で助かったと思えるのはその時だけで、結果的に誰も得をしないことを自覚することが、嘘つき脱却の一歩目です。
信頼を失ってしまう
人間社会において信頼関係は重要な資産です。
仕事上で信頼をなくしてしまうと「困った時に助けてくれない」「関わることすら警戒される」「同じ仕事でも上司からの怒られやすい」というように、自分だけでなく周りも巻き込んでマイナスのスパイラルに入ってしまいます。
完全に信頼を無くしたAさんの話
私が入社した会社にある先輩(Aさん)がいました。
Aさんに対して会社全体で「関わったら損」との雰囲気があり、誰も関わろうとしていませんでした。誰かと一緒にいたり喋っている事もなく、いつも一人で何をしているかわかりません。
上司との進捗確認では、いつも怒られていました。理不尽じゃないかと思うくらいでしたね。
Aさん本人も大変苦しそうで「いつ辞めるだろうか?」と噂されるくらい強張った顔で毎日来ていました。
新人の私がみていると
「Aさんなりに必死にもがいているのに、なんでこんな態度なんだろう?」
そう疑問に思っていたら、同じグループの先輩(Bさん)が私に言ってくれました。
「あいつの嘘でみんなが痛い目をみてるのに、謝らず言い訳ばかりしてるからだ。」
実はAさんとBさんは同期で、最初の頃はAさんの方が評価が良かったそうです。しかし、次第に嘘や言い訳のボロが出始め、成長することなく誰も助けてくれなくなってしまったとのこと。
さらにBさんの話は続きます。
「Aさんが上司に怒られている仕事があるでしょ?Aさんでも簡単にできるはずなんだよ。でも、上司から見ると不信感が拭えないから細かい所も指摘して1時間も説教することになるんだよ。」
信頼を完全に失ってしまうと、孤独になるだけでなく、できていた仕事すら難しくなるのです。
結果的に自分が傷つく
嘘や言い訳で乗り切り、バレずに助かるケースももちろんあるでしょう。
出世争いで脱落したくないために、他人にミスをなすり付けたのがバレなかったとします。
それでも嘘をついた本人は嘘をついた自覚があるので、「いつ誰にバレてしまうのか?」「自分の立場は大丈夫なのか?」など周りを警戒し始め、勝手に気持ちがすり減っていきます。
また、他人を貶めたとしたら、その行為を思い出すたびに自責の念にさいなまれ、永遠に悩み続けるのです。
人間の心は耐えることができないので、自分に言い訳をし始めます。
「あの時は仕方なかった」「周りにそう言われた」「状況が許さなかった」など、あらゆる面から自分に言い訳をして精神を保とうとします。
しかし、それで解決できるわけもなく、さらに精神的に病んでいってしまうのです。
誠実な発言は自分を信じることができる
では嘘・言い訳をせずに、誠実・正直な行動を選択するとどうでしょうか?
場合によっては、嘘や言い訳をしなかったことによって、出世争いや競争に負けてしまうかもしれませんし、正直に話して損をするシーンもあるでしょう。
しかし、そんなことは些細なことです。
「あの時、自分は自分の正しいことをした。」
心の底からそう思うことで、自分自身に対しての自信や信頼を積み上げていけるのです。
もし嘘・言い訳をしたらすぐに謝ろう
人間は弱い生き物なので、余程の人格者でなければ、追い込まれた状況では嘘や言い訳に走ってしまうかもしれません。
しかし、そんな時はできるだけ早く謝りましょう。
それが、多くの人から糾弾を浴びたり、吊るし上げられたとしてもです。
皆さんはこの事件を覚えているでしょうか?
日大アメフト選手が関学アメフト選手に悪質なプレーをした事件です。
発端は日大アメフト部監督が「相手のクオーターバックを潰してこい!」という指示により、選手が「潰さないと試合に出れない」と追い込まれ、悪質なプレーをしてしまったというもの。
退場処分後に彼は自責の念からテント内で泣いてしまっています。
これは大々的な問題になり、監督・コーチ・選手の説明を強く要求する事態になりました。
この方達の中で一番早く会見を開いたのが、悪質プレーを指示された宮川選手でした。その会見での宮川選手は自信の行いを反省し、その正直な態度は人々の心を打ち「追い詰められていてかわいそうだ」という世論になったのです。
若干20歳の大学生が全国民を前にして、名前や顔を公開し、自分の過ちを認めることは大きな勇気が必要だったでしょう。
「監督がやれといったから仕方ない」
この言い訳をせずに、彼は正直にあのラフプレーに関して説明していました。
彼のした事は決して許されることではなく、罰もあるでしょう。しかし、自分に言い訳をせずに真摯に会見をした事は、彼の人生にとって最善の選択だったといえるでしょう。
さいごに
- 嘘・言い訳をすると全員が不幸になる
- もし嘘や言い訳をしたらすぐに謝る
当たり前のことですが、人格が備わっていないととても難しいことです。
新人や若手は仕事上ではまだまだ未熟です。多くの人に迷惑をかけて多くのことでプライドを傷つけられることでしょう。
しかし、笑われても、恥をかいても、糾弾されても、誠実な態度で仕事に挑み続けることこそが結果的にあなたにとって最善の選択だと思います。
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